悠未ひろ様と今井聡 対談

宝塚歌劇団で宙組男役スターとしてご活躍になった悠未(ゆうみ) ひろ様は、昨年(2013年)12月に宝塚を退団されましたが、トップスターと同じ様にサヨナラショーが行なわれたことからも、その人気と実力の高さがわかります。弊社の引越しサービスをご利用いただいたご縁から、舞台でご活躍される一流の方の心掛けについてお話を伺う機会をいただくことができました。

悠未ひろ(ユウミヒロ)引越し業界の未来を語る:ショーマンシップ編今井聡(イマイサトシ)

東京都出身。11月5日生まれ。身長180cmの宝塚史上No.1の長身を生かしたダイナミックかつキレのよいダンスと、抜群の包容力、迫力の歌声が魅力。愛称はとも、ともちん。
2003年「傭兵ピエール」新人公演主演
2003年「里見八犬伝」 蟇田素藤役
2004年「白昼の稲妻」新人公演主演
2005年「LePetitJardin」主演
2007年「バレンシアの熱い花」ルカノール公爵役
2007年「宝塚舞踊会」
2008年「宝塚巴里祭2008」ディナーショー主演
2009年「外伝・ベルサイユのばら」フェルゼン役
2009年「カサブランカ」シュトラッサー少佐役
2013年「逆転裁判3」エッジワース役 主演
2013年「Heroe」ディナーショー主演
2013年「風と共に去りぬ」アシュレ役

 

2013年12月 宝塚歌劇団 退団

2014年4月「東京會舘 悠未ひろトークショー」
7月「日経ホール チャリティーコンサート」主演
8月「MOONSAGA-義経秘伝-第二章」平教経 役

 

前 株式会社ムーバーズ 代表取締役
大手引越し会社で引越し業務を経験後、独立し横浜を拠点とする「引越しのムービングエス」を創業。 2006年に事業を株式会社化した後、同じく横浜を中心に10年以上の実績を持つ「ジュンムービング」と合併。

2012年には社名を「株式会社ムーバーズ」に変更し、今に至る。
引越し作業の質、スタッフの質へのこだわりをお客様に知って頂くため、積極的に「引越し事例集」を紹介したり、Facebookで日々の業務の様子を紹介するなど、自社Webサイトによる集客に重点を置く独自の戦略を貫いている。

GoogleMapsやiPadなどのツールをいち早く活用することや、引越しで消費するダンボールの数に応じて中国の内蒙古自治区ホルチン砂漠における植樹活動に寄付するといったユニークな活動でも知られており、インターネット、雑誌、ラジオ、TV等、各種メディアで紹介されることが少なくない。

 

 



(以下、敬称略)

日頃の生活から気をつけることは基本

【今井】本日はお時間をいただきありがとうございます。
さっそくですが、悠未さんにお話を伺いたいと考えたのは、引越し業がサービス業であるからです。宝塚で人気の男役スターとしてご活躍されるような一流の方が、舞台を通じてお客様に喜んでいただくために心掛けていらっしゃることは、サービス業である引越し業にも参考になるのでは、と考えました。
宝塚のスターと引越しスタッフという大きな立場の違いはありますが、お客様に喜んでいただきたい者同士で共通する部分があるのではないでしょうか。
たとえば引越しサービスは「体が資本」なので、体を鍛える、日頃の生活から健康状態に注意するといったことを、スタッフには言っています。

【悠未】共通点はあると感じます。
私も舞台のために筋力トレーニングはします。また風邪などで舞台に穴を開けてしまうことは絶対にあってはなりません。特に宝塚の頃は次から次へと舞台があり、「舞台が中心」、「舞台ありき」なので、日頃からその点を常に意識して生活をしていました。
今回引越しをしたのも、宝塚を卒業して少し落ち着き、ようやく余裕ができたからです。なので「今までと少し違うことをしたな」という実感があります。

舞台や現場の違いに臨機応変に対応する難しさはあるが、それが楽しい

【今井】引越しの現場はお客様によって十人十色です。
お客様によってお持ちの家具は違いますし、搬入や搬出の条件も全く違います。
引越し現場に出るスタッフは、事前に見積書の内容を確認します。この見積書の内容から、引越し現場で必要な資材など、準備すべきことを判断します。引越し当日の朝は必ずこの作業をしています。
お客様がどんな方なのか想像しながらその日の引越しに備えるのですが、慣れてくるとお客様の顔が思い浮かぶような気がしますよ。

悠未ひろ 様 対談時のお写真1

【悠未】えー(驚き)

【今井】この荷物ならこのような準備が必要、といったマニュアルも用意していますが、それだけで全てのケースに対応できるわけではないので、いろいろな条件を考慮しながら、不測の事態にも備えることのできるよう、準備を整えます。
中には特殊な条件の引越しもありますが、そうした場合には訪問見積もりに伺ったスタッフから情報をもらい、協力しながら準備をします。
このように、たとえばそれぞれの舞台に合せて準備されること、心掛けていらっしゃることなど、ありますか?

【悠未】ありますね。
東京宝塚劇場のような大劇場メインの舞台もあれば、人数も少なめでそれほど大きくない劇場をメインとする舞台もあります。
さらに全国ツアーの場合などは、一度も舞台に立ったことの無い劇場で演じることもあります。当日になり、「舞台の袖は狭くなっているので気をつけてください」といった注意を受ける程度で「はい本番」ということも珍しくありません。ですので、自分の感覚で臨機応変に対応することが求められます。
こうした劇場の違いに対応する際の心掛けというのは、今伺ったお話に近いものがあると感じます。

【今井】そうなのですね。

【悠未】宝塚での経験を思い起こしてすごく感じるのは、さまざまなことを教えてもらうのですが、それだけでなく臨機応変に対応できる感覚が養われるということです。
実際の舞台では何が起きるかわかりません。誰かが転んだ、または振りを間違えたといった場合には、お客様にわからないように、アドリブで対応しなければなりません。
引越し業者さんはその連続なのだろうな、ということに今気づき、すごいなと思います。

【今井】同じ劇場で演じるにしても毎回同じというわけにはいかない、ということですね?

【悠未】はい。
もちろん劇場が同じであっても、演目が違えば全く状況が変ります。
また同じ演目を1ヶ月間続ける場合でも、毎回全く同じようにいくわけではないので、そこは仰るとおりです。お客様の反応なども毎回違います。
でも、だから楽しいのだと言えます。

【今井】あ、「だから楽しい」という点は引越しも似ていますね。
引越しは同じ条件で同じ引越し作業をする、ということが、それこそ全くありません。
現場のリーダーが、どのタイミングで何を行なわなければいけないか、という判断をするのですが、毎回条件は異なり、全てが1回限りのことです。全体が良く見えていないと引越し現場を上手くコントロールすることはできません。
難しいことではありますが、だからこそ楽しい、という感覚は一緒です。

【悠未】そうですね。共通点だらけですね。

それぞれが自分のすべきことを理解した上で、最大限のパフォーマンスで役割を果たす

悠未ひろ 様 対談時のお写真2

【悠未】ほかには、主演として公演に臨む場合に、下級生にどのような指示をした方が良いとか、スタッフさんへの気配りとか、状況に合わせて考えるべきことがいろいろとあります。
基本的には先生の指導のもと、お稽古しますが、自主稽古をすることも多いのです。その時には皆のコンディションや足りないものを、主演を初めとする主要メンバーが見極め、何をすべきか指示する、士気を上げる、といったことをします。
引越しで現場のリーダーさんが現場チームをまとめるのと同じようなものではないでしょうか。私どもは公演のカンパニーをそうやってひっぱっていきます。
トップで指示する立場の人、それをサポートする人、中堅としてまとめる人など、もちろん役割分担も重要です。

【今井】それぞれが自分の役割をわかった上で動くことが大事ですよね。
引越しなら部屋から荷物を出す人、それをもらってエレベーターまで運ぶ人、エレベーターに荷物を載せて下ろす人、といったように役割が分かれます。
たとえばエレベーターの担当なら、エレベーターを使う他の住人の方には失礼のないようしっかりご挨拶しますが、引越しをするお客様の個人情報は漏らさないよう注意するといったように、気をつけるべきこと、やるべきことが、担当する役割によって少しずつ違ってきます。それぞれが自分のすべきことを理解した上で、最大限のパフォーマンスで役割を果たす必要があります。
また、毎回同じメンバーで引越しをするわけではないので、誰がどの役割に向いているかといったことをその都度リーダーが判断しながら役割分担しています。

【悠未】宝塚では稽古場で大道具や小道具を運ぶのは下級生の役割です。芝居の間、タイミングをしっかり見極め、どのように大道具・小道具を出してくると一番良いのかを考える必要があります。
力仕事も結構ありますし、いかに音を立てずに準備するか、といったことにも注意していますね。
今回の引越しで、別の部屋で作業をされているスタッフさん同士でお互いの声が聞こえなかった時には、引越しを手伝ってくれた下級生が「〇〇さん、ΔΔさんが××とのことです!」と伝言をしていました。
このような引越し現場の様子が、普段宝塚で自然にやっていることとすごく似ていて、面白いなと感じましたね。

【今井】長く一緒に引越し現場に出ているスタッフ同士ですと、別々の部屋で作業していても相手が今何をしているか、たとえば家具を運び出しているなら、その作業にあとどれくらいかかるか、といったことがだいたいわかります。
そのような進行状況を意識しながら、どんどん作業を進めていくことができます。長年やっていると、そうしたことも見えてくるようになりますね。

【悠未】そうなのですね。
組織として行動することを考えると、宝塚の場合は教育システムが良くできていると感じます。音楽学校の最初の1年間で厳しく指導を受け、学ぶことで、規則も身に染みて守ることができるようになるのです。
60~80人といった規模の大きな舞台は珍しいと言えます。このように大勢で一つの舞台を作り上げるためには、規則正しく行動することが重要なのです。
絶対的な規則があり、それを全員が守らないと、大規模な舞台はスムーズに進行しません。
そのために行進の練習なども含め、かなり厳しく指導を受けますし、上級生を立てるといった体育会系的な要素が強いですね。
音楽学校のカリキュラムは、大きな舞台に取組む上で必要なことを学ぶためにとても良く機能していると思います。

【今井】そういう厳しい組織で、たとえば宙組をまとめる立場の人は大変でしょうね。

【悠未】あくまでも、宝塚という大きな組織の仕組みやルールがしっかりあるので、今井さんのように企業を立ち上げる立場の方とは、比べものにならないとは思いますが、、、
70人単位の組をまとめる上級生は、色々な事を考えながら、やっていますね。

【今井】そうは仰っても、大変だろうな、と思います。

舞台には演じる人の「人間性」が現れるからこそ、日頃からの心構えが重要


【今井】引越し作業を通じてお客様に感動を与えることが私どもの目標の一つですので、単に荷物を運べば良いとは考えていません。私どもの引越し作業がお客様の目にどのように映ったか、ということを重視しています。
でも何がお客様にとって良いことなのかは、それこそ十人十色です。決まったことだけをしていては駄目で、お客様に喜んでいただこうという意識が必要です。
また、お客様が期待される以上に細かい配慮を積み重ねないと、感動していただくことはできません。
目の前の引越し作業一つ一つに一生懸命取組み、その足し算でようやくお客様に喜んで頂けるのだと考えています。
舞台でお客様に感動を与えるために心掛けていらっしゃることには、どのようなことがあるでしょうか?

【悠未】今のお話にあった「お客様に感動していただくための心がけ」は同感です。
舞台に取組む上で、レッスン、鍛錬により一定の技術レベルに達しておくのは当たり前のことですし、役柄をつかむためには「その役の人物ならどうやって歯磨きをするだろうか?どうやってコップを持つだろうか?」といったことまで考えながら生活することもあります。
さらに、そこにプラスアルファでお客様に感動を与えるものは何だろうと、私もずっと考えています。
なかなか難しい問題ですし、これだ、という答えはまだ無いのですが、私が感じているのは、今までの人生経験や日頃の生活も含め、その人の「人間性」が舞台ににじみ出るということです。
どんなに技術があっても、生活がすさんでいると、それが舞台に出ます。
自分でもいろいろな舞台を見るのですが、すごく足が上がる、うまく回れるといった技術的なものよりも、「魅力的なもの」に心を打たれるのです。その人が誠心誠意舞台に取組んでいる姿に感動するのだと思います。
自分の人生が全て出てしまうというのは怖いことではありますが、だからこそ日頃から常に、舞台でお客様に感動を与えることを考えながら生活することが重要です。
卒業はしましたが、宝塚の劇団員だったことは今後も背負って行きますし、これからの生き方も舞台に出るものと考えて生きていくと思います。

【今井】舞台にその人の人間性が出るものですか。

【悠未】そうです。出ます。性格なども全て出てしまいます。なぜか、わかってしまいますね。それは自分もほかの人から言われます。
作品や場面によって、ダンスの技術的な部分で魅せたい場面、歌を聴かせたい場面、ストーリー性が重要な場面など、それぞれテーマが異なります。
この場面では何が一番重要なテーマなのか、ということを意識しながら舞台を作っていくのですが、そのためには自分の感性を豊かにしておく必要があるのです。いざテーマに沿ったことをしようと思っても、自分の中にそれを表現できる感性がなければ、対応できないからです。
そのため、日頃から常にアンテナを張っていろいろなことに興味を示すようにしています。
それは必ず舞台で役立ちますし、だからこそ面白いということもあるのですが、そのような意識を持って生活しています。

【今井】そうなのですね。

【悠未】宝塚はご存知のように女性が男性を演じることによる独特のかっこよさであったり、華やかさであったりという魅力があるのですが、私たちはもともとそうした魅力に感動する側にいました。
宝塚の魅力に対する具体的なイメージがあり、それにあこがれて入団するので、自分が受けたのと同じ感動をお客様にも感じていただきたいという気持ちがあります。
そのためにダンスなどの技術を学ぶのはもちろん、先ほどの話のように、日々の生活から得るものも役立てるという意識が常にあります。
現代劇もありますので、引越しが関係する舞台だって有り得ますし、いつ引越し屋さんの役が来るかわかりません。
今回の引越し作業を間近で見て体験したこと、たとえば「引越し現場ではこういう声かけをしていたな」といったことが私の引き出しになり、いつか役に立つかもしれないのです。
今日だってこの対談を撮影されているカメラマンさんの動きというのは、「あ、こういう風に撮るのだな」ということで、やはり参考になります。

【今井】そうですか。

【悠未】はい。また、宝塚ならではの心構えもあります。それは「悠未ひろ」個人であると同時に、宝塚歌劇団、または宙組として評価されることへの心構えです。
誰かが何か失敗をしてしまったら、個人ではなく「宙組の誰々」の失敗であり、「宙組」の評価に影響してしまいます。
なので、常に「宝塚や宙組の看板を汚してはいけない」という責任感を全員が感じて行動します。個人でありながら、私生活においても「宝塚や宙組として評価される」という意識を持って生活するのです。
ある意味ではムーバーズさんも同じではないでしょうか。何か失敗してしまったら、個人ではなく「ムーバーズ」の失敗と見られてしまいますよね。
「ここが良かった」という良い面も、個人では無く団体として評価されることが多いと思いますので、そこは宝塚歌劇団と似ているのかな、と思いました。

お客様を喜ばせたいという意識から生まれる行動がお客様に与える印象

【今井】少し話が変りますが、実はムーバーズの引越しスタッフにも、劇団で活動しているアルバイトのスタッフが居ます。
そのスタッフはよく、「引越しが楽しい」と言っているのですが、そういうスタッフはやはりお客様を「魅せる」のが上手ですよ。

【悠未】舞台では「このタイミングで通り過ぎないと他の人の邪魔になる」といったことを瞬時に判断しながら動くのですが、その点でも引越し現場は似ているのではないでしょうか。
「今こうしないと他のスタッフの邪魔になる」といった判断は、舞台で求められる判断と似ている部分があるように感じました。
頭脳プレーと言えるような部分がありますよね。

【今井】そうです。頭脳プレーですね。
頭を使っているから引越し現場が楽しいのだと思います。

【悠未】引越し現場でのお客様との会話も、お客様を喜ばせたいという意識から出てくるものと考えれば、舞台での心掛けと似ている部分がありますね。
「ただ荷物を運ぶ」のでも、「ただ踊る」のでもない。「こうしたら喜んでもらえるのではないか」と考えながら、という部分がやはり似ているのですね。

【今井】引越し作業中は常にお客様が中心です。背中を向けていたとしても、後ろに目があるような感覚で常にお客様を見ているようなところがあります。

【悠未】あ、そうですよね。
引越し作業をされている最中なのに、面白い話や雑談を交えて、和ませながら仕事を進められていましたね。そのあたりの対応は本当にプロだなと思いました。
ほかには作業のスピード感もすごかったのですが、引越し作業中の動作が全て美しかったのも感心しました。雑な感じがなく、「品が良い」とでも言うのでしょうか。
お客様の荷物をちゃんと扱うという精神を持っていらっしゃるのだなということをすごく感じましたし、全体的には何と表現すれば良いのか・・・「引越しの美学」? のようなものを感じました。

【今井】そういうお客様に与える印象というのは、その場限りのものですよね。引越しの場合は同じ条件の引越しというのはあり得ないので、一度だけの体験です。
舞台の場合は何度もご覧になるお客様も少なくないと思いますが、一つの演目を一度しかご覧にならない方は、やはり一度の舞台で印象が決まってしまいますよね。
1回1回が勝負という点は同じではないでしょうか。

【悠未】確かにそうですね。
実は引越しの前に、ムーバーズの方が見積もりにいらした段階で感動していました。
他の引越し業者さんより、見積もりにいらした方の態度が素晴らしい、という印象を受けました。
この違いは、複数の引越し業者さんに見積もりをお願いしたからわかったことです。ムーバーズさんだけしか知らなかったら「こんなものなんだな」と、特に感心しなかったかもしれません。

【今井】そうですね。いろいろ比べてみないと、基準がわかりませんよね。
そう感じていただけると幸いです。ありがとうございます。

想像力を働かせること、気持ちを使うことが重要

【今井】これもさきほどお話した劇団員のスタッフですが、あるとき耳の不自由なお客様の引越しを担当することになりました。
その引越しの当日、朝から「おはようございます」などの言葉を書いた紙を用意しているのです。
その画用紙をめくっていくことで、あいさつや自己紹介ができるように準備していました。

悠未ひろ 様 対談時のお写真3

【悠未】へー。それは自分で考えて?

【今井】そうです。こちらから指示したわけでは無いのです。何をしているのか聞いて、はじめて自発的にそういう準備をしているのだとわかりました。
見やすいよう、大きなA3の用紙を使っていましたよ。
これはお客様に喜んで頂くために考えた行動の良い例だと思っています。荷物の梱包や運搬に関するマニュアルはありますが、そうしたシステマティックなことだけでは実現できない、お客様に喜んでいただくための行動ですね。
こういう例があるので、舞台に立たれる方には引越し業と共通する心構えがあるのかな、と考えました。

【悠未】引越しのお客様それぞれの事情に合せて、喜んで頂くためにいろいろと想像するというのは、私たちが「この役ならこういう話し方をするかな」「この役ならどういう行動を取るかな」といったことを想像する作業に似ている部分があるかもしれませんね。
この役はどういう性格かな、といったことまで想像する作業は楽しいものです。そこはすごく似ているな、と思いました。
残念なことですが、最近は世の中が便利になったせいか、こうした想像力を働かせるのが不得意な若い世代の人が増えているという印象があり、課題だと思っています。

【今井】そういう想像力を養うためには、先ほどお話があったように、日頃から常に観察する意識を持つといったことが重要ですか?

【悠未】はい。そして「感情を使う」、「気持ちを使う」ことが大事です。
ぽわーっとしていても、その場は過ごせてしまいますので、小さなことでも感動できる気持ち、怒ったり、笑ったり。喜怒哀楽がすごく大切ですね。

達成感が次の舞台につながっていく

悠未ひろ 様 対談時のお写真4

【今井】今日学ばせていただいたことはスタッフに伝え、皆で向上していきたいと思います。

【悠未】向上するためには達成感が必要ですよね。
舞台ならお客様から盛大な拍手をいただいたり、感動したというお手紙をいただいたり、ということを通じて、「あー、良かった」と思うことができます。
どんなに苦しいことがあっても、「辞めたい」と思うようなことがあっても、このようにお客様から逆に感動をいただくことができるので、それが次の舞台につながっていきます。
その繰り返しですね。

【今井】実は引越しもお客様から感謝の気持ちを示していただくことの多い仕事と言えます。重い荷物を運んだらその場で感謝されるということもよくあります。
また、弊社では引越しをされたお客様にアンケートへの協力をお願いしています。いただいたアンケートへの回答は事務所に貼りますので、スタッフは見ることができます。
なかにはわざわざ筆をとって感謝の手紙をお送りくださるお客様もいらっしゃいます。
そうしたことは、やはり皆にとってすごく励みになっていますね。

【悠未】わかります。それくらいの感動でした。私もムーバーズさんの引越し作業に対しては、感謝のお手紙を書きたいくらいです。
今回の引越しでは、人間対人間のやりとり、心配りを重視されているのがよくわかりました。
たとえば、少し不安になりそうな場面では必ずスタッフさんがその場に居てくださるなど、「不安を感じさせることがない」と思いましたね。
他にも、引越しで出た廃棄物をごく当たり前のことのように引き取ってくださったのも感動しました。
以前に2回ほど宝塚市内で引越しをしましたが、そのように感じたのは今回が初めてでした。

【今井】ありがとうございます。

 

【今井】今日はお話を伺って、すごく勉強になりました。
ありがとうございました。

【悠未】私の方こそ勉強になりました。
お客様に感動をお届けするという点で、考えなければいけないことは同じですね。

 

学生の皆様へ

大手を含む多くの引越し会社が、現場スタッフとしてアルバイトを雇用していますが、なかでも株式会社ムーバーズは「現場スタッフにこだわる」をモットーにしており、アルバイトであっても質の高い引越しサービスを提供できるよう、しっかり指導いたします。

引越し業界に対しては無骨というイメージもあるかもしれませんが、引越しはお客様と接することも多いサービス業です。
弊社事務所は住宅地に隣接しているため、トラック整備の様子などがご近所からも見えます。また、事務所周囲の清掃活動を行なっているのですが、こうしたことをご覧になっている近隣のお客様から、「この会社なら」ということで引越しをお任せいただくことが増えています。
このような体験からも、普段から誰に見られても恥ずかしくない行動を心がけることの重要さを理解してもらえると考えています。

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